冬のしごと ~除雪~
玉庭では、雪がいっぺど(たくさん)降ってきます。
雪とは不思議なことに、一粒一粒は小さく、手のひらにのせると溶けてしまうほど儚いものなのに、結束するとGW前まで田んぼに残るくらい強力な冷蔵設備を作り上げます。
雪が本気を出すと、道路や家など関係なく辺り一面を数時間で銀世界にしてしまいます。降った雪は太陽がさんさんと出ない限り溶けることはありませんし、除雪のしやすい仕事の休みの日に降ってくれるような忖度もありません。
雪の壁にふさがれ、家に閉じ込められないようにと1日2回は除雪が必要です。
屋根に積もった雪に、家が押しつぶされないように、週末の雪下ろしも必要です。
春先から畑や田んぼの仕事が出遅れないように、雪をつっついて空気をふくませ、溶けやすいようにする作業も必要です。
玉庭に住むということはそういうこと。厳しい現実です。
12月から4月までの長い冬を越えると、
春には山から雪どけ水が大量に田んぼに流れ込み、眠っていた土地を目覚めさせます。
とまることなく流れてくる水の清らかさ、まさに自然の恵み。
除雪は大変だけど、水と太陽によって新たに芽吹いてくる草花や木を見ると、人と自然の共存を実感します。
冬を耐えながら、楽しみながら、活かしながら、春を待ちます。